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出来事から感じられる大切なメッセージを描いたオリジナル短編小説シリーズ『if... ~もしも~』『Why?』を不定期執筆中。現在Twitter ikokoro & ikokoro_bookを発信中。ミニ短編だよ。(^^;)140以内なの!
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あれから60年以上の時が流れた。
もう、小学生の僕とは違う私がいる…
私は今、
年老いて白い部屋の白いシーツの上で
目の前の木箱を開いている。

人生を物語るかのように
魔法辞書は残り数ページを残すのみ
もう終わりにさしかかろうとしている。

この語りかける魔法辞書は
いつも私を見守っていてくれていた。

孤独を感じることなく
人生を共にしていた。

ここに書かれていた事は
今思うと難しい事ではなかった。

人生を謳歌する為に、
人生をどう生きる事が楽なのか?

そんな考え方を示すような書物だった。

しかしこれは
本当に書物なのか?

共に歩んできたパートナーのような物とも言える。

ページをめくると、次のページには
こう書かれてた。
「この本との出会いをもう一度思い出してほしい」

続けてこう書かれていた。
「そうです。この書物は私であり貴方自身なのです。」

私は言われるままに幼い頃の自分自身の人生をもう一度思い出していた。
白いベットの上で…
私が主人公の人生は半分懐かしくもあった。
蘇る人生のすべて。

そう
僕はこの本を家に持ち帰ったとき
初めてお母さんに「ご馳走様、おいしかった!」と声をかけていた。

それは自然と出てきた言葉だった。

その瞬間気がつかなかったけど
お母さんは僕の言葉に
びっくりしていた様子が記憶に浮かんできた。

なぜなのだろう?お母さんは喜んでいた。

僕はそれまで
「おいしかった!」と言っていなかったのだろうか?

なぜあの時 
あの瞬間僕は「おいしかった!」と言えたのだろうか?

半分恥ずかしくなって
階段を駆け上がり急いで木箱を開けると
そうあの後のページにはこう書かれていた。
「お礼や挨拶を言葉にしているかい?」
その言葉に戸惑いを感じたものの
瞬間的にさっき自分が発した言葉を振り返り
当然のようにその文章の続きを読んでいた。

「言葉は何のためにあるのか?考えてごらん。」そう書かれていた。

言葉?そんな事考えた事など無かった。
その続きがあった。
「YES・NO・わからない・どちらでもない」
「気持ちを伝える事と挨拶ははっきりと言葉にしてごらん。
素晴らしい不思議な事がすぐ起きるよ。」

僕は言葉について初めて考えていた。
お母さんと何を話していたのか?
学校で言葉にしていたのは何か?塾では?

「おはよう!」とお母さんに言われても黙っている事が多かった。
塾ではもちろん
友達との挨拶は「よおっ!」

父親とは顔を合わせると
小言ばかりだから逃げていた。

ま!よくわからないけど
明日は挨拶してみよう。
何も起きなければこの本は返しに行こう!



年老いた私は
木箱に蓋をしながら白いベットで
少年の頃の自分を思い出していた。

この本を手放そうとしていた時の事を…

どうでもいい本なら気にしなくてもいいのに
すでに何かを期待しているからこそ
反抗して返しに行こうとしている少年の姿の自分

無邪気であどけない姿が
今の自分からは想像が出来ないが
あの時 この本を手放さなくて良かった。

そう思いながら木箱を静かに枕元に置いて眠りについた。
過去をもう一度振り返りながら…

過ぎ去った少年の日の僕は翌朝
いつもの様に目が覚めて階段を駆け下り
おかあさんに「おはよう!」と声をかけ
朝食を食べて学校へ急いでいた。
本の言葉を試すために…
初めて母親の目を気にしない朝を迎えたのかもしれない。
今、のびのびとした自由な僕の世界が始まったのかもしれない。

…つづき
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プロフィール
HN:
ikokoro
性別:
女性
職業:
メンタルセラピスト
趣味:
心理・科学・CG・PC・DNA
自己紹介:
心に何か伝わると嬉しいな。
■ Twitter 発信中!
ikokoro 心に何か伝わるメッセージを発信。 ikokoro_book 140文字以内1シーン物語も発信中。
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