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金曜の朝
「あ~~~!!私ってなんで運が悪いんだろう!」
「運が悪すぎ!」
そう想うと・・・
どこまでも過去の最悪のシーンがいくつも蘇ってくる。
最近では
好きな人が結婚
元々恋人の彼が家族で歩いているのを目撃
仲の良い友人も恋人ができて
連絡は途絶えるし・・・
昨日
お気に入りの財布を購入しようとしたら
目の前で完売
挙句の果てに
今日は朝から通勤地下鉄ホームの中で立ち往生
定期券が見つからない!
中に入ったまではあったのに・・・
降りる瞬間に見つからず
ホームに戻って探したものの・・・
15分
なんだかそんな突然の出来事に疲れて
気がつけばベンチに座り込んでしまった。
「なにやってんだろう?私・・・」
「運が悪すぎ!」
携帯をにぎりしめ
「調子悪いので有休お願いします。」とか細い声で・・・
その声を聞いた会社の同僚は
声の様子で体調不良と100%信じて判断
「お大事にしてください」と電話が切れた。
本当は体の調子が悪いのではなく
心の調子であるリズムが変動しているのかもしれない。
「なにやってんだろう。」
・・・・
このまま会社にも行きたくない
だからと言って自宅に帰る気もしない
・・・
「あの~どうかしましたか?」
何本も電車を見送っている女性を見つめていた一人の駅員さんが声を・・・
我に返って
「あっ・・・定期を無くしてしまって・・・」
優しそうな駅員さんは彼女を見つめながら
「そうですか~連絡が無いか確認してみますね。待っててくださいね」
「あっ。はい」
しばらくすると
小走りで先ほどの駅員さんが
息を切らして駆け寄ってきた。
「いま確認しましたが連絡が無いようでした~
でも、後から届けがあるかもしれませんから、
元気を出してください。
まれですけど届くこともあるんですよ」
ほんの少しの希望なのに
その駅員さんは爽やかな笑顔で語っている。
今の私は心のどこかで
「帰ってくるはずが無いと想っていた」
定期券がどうのではなく
そんな事に巻き込まれる自分が恥ずかしかったり
自分自身の運に対してあきれている感じだった。
力が抜けるというか・・・
何で・・・?
なんで?
ため息交じりで体の力が抜けた感じだった。
「もう・・・いいんです。ありがとうございました」
ゆっくりと立ち上がり力なくお礼を伝えると・・・
「信じることって大切ですよ。信じましょうよ!」
またもや爽やかな笑顔で・・・
なんだかそんなのんき駅員にむかついてきて・・・
「じゃ~・・・」と
何も考えずにホームに来た電車に乗ってしまった。
ドアが閉まり・・・
ドアの向こうで少し心配そうに見つめる駅員さん
でも表情は笑顔だった。
「馬鹿じゃないの?出てくるわけ無いじゃない!」
「世の中そんなに甘くないのよ!それを良く知っているのは私なのよ!」
・・・
なんだか悔しくなってきて・・・
涙が・・・
「。。。」
零れ落ちそうなのをこらえて
地下鉄は目的の無い乗客一人を乗せて走っていった。
「行く当ても無く・・・」
あれから2年
結局
現在振り返ると・・・
あの運の悪いと想っていた日は
素晴らしい日に変わっていた。
今
純白のウエディング姿の私の隣には
白いタキシードの彼
駅員さんがいる。
2年前の月曜日
(定期を無くして3日目の朝)
いつものように
地下鉄のホームへ下車すると・・・
「あの~~~」
男の人に声をかけられて振り返った。
笑顔で定期券を差し出している男性
「信じるって大切でしょ!」
そう定期を差し出していたのはあの駅員さん
その笑顔と同じスマイル姿の彼が今ココに・・・
運が悪い出来事は
出会いの素晴らしい思い出の日と変わった。
なぜバックに入れたはずの定期券が
座席シートの間に挟まっていたのかは今でも謎だけど・・・
1日の終わりに列車を掃除点検する人が
挟まっていた定期券を発見。
車両番号と日時で連絡が入り
駅員さんの耳に入ったものの
彼女は届けを出していなくて…
月曜日
彼は彼女が同じ車両から降りてくるのを信じて
ただ・・・待っていたと言う
私の名前も知らない
ただ・・・ベンチにしょげて座っていた時の姿
記憶だけで・・・
「なんとなく
また会えるような気持ちを信じて・・・」
月曜日彼女を見つけて声をかけ
また会えた喜びが彼の恋する気持ちに灯を点し…
人を信じない女性と
信じることを誇りに想う男性の出会い。
違うからこそパートナーとして学びあう必然
そこに永遠の伴侶となる理由があったのかも知れない。
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運が悪いと思いこんでいる出来事
本当にそうなのだろうか?
気がつかないだけで、
隠れた真実があることを誰も知らない
でもその理由を密かに知る存在もいるのかもしれない。
心の叫びに耳を(心)傾けている存在が・・・
信じる心にも共鳴しながら・・・