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出来事から感じられる大切なメッセージを描いたオリジナル短編小説シリーズ『if... ~もしも~』『Why?』を不定期執筆中。現在Twitter ikokoro & ikokoro_bookを発信中。ミニ短編だよ。(^^;)140以内なの!
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charch.jpg人は常に心の中に"想い"を持ち歩いている。
その"想い"は時に"願い"として訴えていたり
"希望"として描かれ そして創造される。

"願い"にはいくつもの種類がある
"欲望"の"願い"から、助けを求め必要とする"願い"まで
心の道に迷っい閉ざされた状態から開放されたいと願う"叫び"もある
緊急を要するものとそうでないものもある
人によっては必要な苦しみや"葛藤""悲しさ"もある
何かに気付く為のプロセスとして…

その"願い"を聞き取っていても
その『何か』が受け取れる部分にも限界や制限がある
ここの世界にもあるように…
秩序を乱さないための制限が…
人の願いや叫びは欲望のままのものが多い
努力も無いまま
行動できないまま
助けを求める叫びや苦しみが『何か』に届いていることを知らず…

*****************

大空の中を気流に乗って漂う
360度の景色は美しい

これを自由と言うのかもしれない。

しかし人には限界がある。

空に舞い上がっていても、自らの意思で飛び立つことは出来ない
重力の中で大地に根を張って暮らす存在だから…

突然
美しい音色を感じ取っていた。
心の想いに響きしみこむような音
魂の奥底から何かが湧き上がるような音色
沢山の内なる何かが目覚めるようなそんな音色に魅了される

その音の場所へ…

風に乗り鷹と共に舞い降りてゆく
猛スピードで…

そこからは小鳥達と共に
音色の元へ…

ゆっくりと草原を駆け巡り
温かな日差しの中
蝶の舞うあいだをぬって
大地すれすれを這って

その場所へたどり着く

大自然の丘の上に小さな教会が立っていた。
白いその建物は色とりどりの窓を持っている。
開いている扉は一つ

戸惑うことなく
正面と言われる場所から風と共にすべりこんでいった。

そこは…

img_5874_1_1.jpg

建物の中は驚くほど外とは別世界の空間だった。
色のついたガラス窓から日差しがさしこみ美しく輝き
その光は色のついたガラスを浮かび上がらせていた。
正面には十字の建造物がある
その端で少女が指をうごかし音を出していた。
彼女の想いが指から楽器に伝わりこの場所の空間から外へ流れている

少女の傍にたどり着いたとき
風で髪がかすかに揺れ動いた。

すると少女は…
『何か』に気がついて指の動きを止めた。

『何か』を感じているようでもあった。

戸惑いながらもその『何か』は
静かに傍に存在していた。

見守るように…

少女は「気のせいなのか」と演奏を始めた。
彼女は目が見えなかった。

その分
他の感覚が人とは違う鋭さを持っているようだった。

このような空間では
その『何か』の存在はより感じられやすかった。

ここは人の願う場所
想いを伝える場所だからこそ
その『何か』にとっても心地よく
存在として過ごしやすい場所でもあった。

その少女は他の人達とは違うからこそ
心の想いは純粋で美しかった。

その想いや気持ちが音色に現れていた。
メロディーではなくもっと根源的な振動として伝わるものだった。

その女性は
ユーモアのある女性
懐疑芯や不安をあまり持っていないようだった。

メロディを奏でながらその女性はお花畑をイメージしていた。
目が見えないのにとても楽しく生きている様子だった。
ついつい傍に寄りすぎて
観察しすぎたのか?

突然 彼女は曲を弾きやめてしまった。
そして「こんにちは!」と笑顔で振り向いた。

「あなたのお名前は?」と語りだした。
「何も見えないけどほんの少しだけ感じるんです!」そう言葉にしていた。

その傍にいる存在は
ほんの少しだけ驚いたものの…
言葉を持っていない。

音を発することは出来ない。
その『何か』は
何も出来ないまま
ただみつめていた。
彼女のそばで…

もちろん言葉(音)には出来ないけど
想いだけは存在している。

 

彼女は勝手に答えていた
「いいんです。答えなくても…」
「さっきから傍にいてくれているのを知っていますから」
「ひとりでいるより誰かと一緒にいるほうが楽しいですものね。」
彼女は笑顔でまた曲を弾き始めていた。

曲が終わるたびに
彼女は話しました。
「私、目が見えないんです。小さいときに高熱で…
それからだそうですけど…でもこんな自分を恥じてはいません
周りの人に良くしてもらっていますし…
ごめんなさいね。自分のことばかり話してしまって」
彼女はまた曲を弾き始めた。

彼女の心は周りの人への感謝に溢れ
自分の境遇に対する怒りや葛藤は感じられなかった。

曲を弾きながら彼女はいろいろなことを想っていた。
子供の時に見た景色
両親や家族 親戚や友人そんな楽しい笑顔を想いながら弾いている。

自分の今の環境をしっかり受け入れていた。
そして感謝している。

しばらくすると遠くから足音が近づいてきた。
少しだけ足を引きづりながら歩く音が…
するとそれに気がついて
演奏を止め
「もうそんな時間なの?」とその足音の主へ語りかけた。

おばあさんが迎えにきたようだった。
「そうだよ。何も変わったことはなかったかい?」
少女は笑顔で「ええ」と
イタズラっぽく微笑んでいた。
誰もいない方向にに向けて軽く手を振って
少女は立ち上がりおばあさんに支えられながらこの場所を後にして帰っていった。

一緒に小さな教会を後にして
風と共に舞い上がり建物の屋根の上から
さっきまで傍にいた存在は少女の後姿をみつめていた。

その『何か』は…
今日も彼女を教会の屋根の上から待っていた。
もちろん追いかけることも出来るけど
待っていた。

この場所で会いたいから…
そして直接語りかけられることの不思議な感覚に魅了されたからでもあった。

organ1.jpg1週間後 おばあさんに手を引かれて少女がやってきた。
その日も晴れた昼下がりだった。

「じゃあ、私が用事を済ませてくるまでここでおとなしくしてるんですよ」
「はい!」
パイプオルガンの前で座らせるとおばあさんはゆっくりとドアの外へ出て行った。
少女は
「今日もいらしていたんですね。」と笑顔で語りかたりかけてきた。
「おばぁさんはこの教会のすぐ隣の人の家で用事があって
曲を弾いていれば私がいることを安心して一人になれるんです。」
と語りだした。

それと同時に演奏し始めて…
その『何か』は黙ったまま傍で見守っていた。

何を彼女は求めているのか?
何故このような境遇に生まれたのか?
彼女の傍でみつめていた。
彼女の想いから心の様子を…
静かに見つめつつ

週に1回だけここに来て時間が訪れては
おばあさんに手を引かれて帰っていった。

何度ここで彼女を待っていただろう?
そしてどれだけ彼女の声と曲を感じ聴いていただろう。

ふと
変化を感じ取っていた。
彼女の変化だ!

彼女は楽しみにしている
もちろんその『何か』も…

しかし
先が(未来)無い事をその何かは知っていた。

別れの時が近づいているのを

その『何か』は感じていた。


彼女は密かに
その『何か』に対して
会ってみたい
話はしないけど必ずいることを確信していた。
だからこそ会ってみたいとこの目でみつめてみたいと想い始めていた。

彼女は初めて強く想っていた
諦めかけていた見ることへの想い
「見てみたい!」と言う強い願いだった。

この目で…

確認したいその想いがその『何か』に伝わっていた。
それは同時に別れを意味していた。

人生での願いや希望は魔法のようなものでもある。

彼女の想いはまるで悪い魔法が解いたように
何かが変化していった。

。。。。

それはここで始まった。

いつものように演奏したら想いを話しかける彼女
真っ暗なはずの視界に
少しずつ揺らぎのような光が差してきた。

ほんの少しだけいつも感じる光だった。

声に出来ない誰かのそばにいるときだけ光を感じられるから
絶対誰かがいると語っていたのだった。

傍にいるとわかっていて話していた。

それが…

今日は一段とはっきり見える。
どんどん広がる光が…
何か光が…

 

びっくりして立ち上がると椅子につまずいて
転んでしまった。

その時出入り口から強い風が入り込んできて
髪を揺らした。
そしてゆっくりと立ち上がり…

恐る恐る
目をゆっくり開くと・・・・

薄暗い教会の中で
目の前には美しいステンドグラスの色がはっきり見えてきた。
驚いて見えることに感動して言葉にならなかった。

ただ涙が零れ落ちてきて…
その涙の揺れた視界の中で見てみたい相手を探していた。

さっきまで傍にいたはずの誰かを…
そうさっきまで見守ってくれていた人

探しても傍には誰もいなかった。

いきなり曲が止まったのを知り
おばあさんが心配で駆けつけてきた。

足音と共に・・・
息を切らしながら走りよって来た
「何かあったの?」

泣いている孫を抱きかかえて
心配そうに覗き込むと・・・

少女は「見えるの!」と
「見えるようになったの!」と声を震わせながら涙を流して立ちつくしていた。

「私の手も教会の椅子もおばあさんの顔も見えるわ!」

いつも傍にいた場所を探すと…
彼女がいつも座っていた目の前の
パイプオルガンの上には摘んだばかりのタンポポが1輪

いつも光が見えていたその場所に・・・・

彼女はそのタンポポをゆっくりと手にして
その見ることが出来なかった
存在を確信することが出来た。

確かに誰かが傍にいたことを…

その摘まれたばかりのタンポポが証だった。

その美しい音色は今も
教会から時折響きわたっている。

その音は
誰かを待っている想いと感謝が美しい音色になっていた

その存在は
彼女の想いの音を受け取りながら
ゆっくりと漂い別れを告げていた。

「もうすぐ 貴方にふさわしい人に出会えるよ」

言葉に出来ない想いを残して…

風が強くなり彼女の想いの届かない場所へ
天高く舞い上がっていった。
雲をつきぬけ何処までも…

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プロフィール
HN:
ikokoro
性別:
女性
職業:
メンタルセラピスト
趣味:
心理・科学・CG・PC・DNA
自己紹介:
心に何か伝わると嬉しいな。
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